11代将軍徳川家斉御台所。父は重豪。安永5(1776)年一橋豊千代と婚約する。これは安永元(1772)年に死去した竹姫の遺命であった。豊千代が将軍後継者となると、2人の結婚に対し反対の意見が出る。しかし豊千代を養子に迎えた10代将軍家治が竹姫の遺命を尊重するように指示したため、茂姫は近衛家の養女となった上で、寛政元(1789)年に家斉(いえなり、豊千代)のもとへ嫁いだ。家斉は、江戸時代を通じて最も在任期間が長い将軍となった。茂姫の実父島津重豪は「高輪下馬(たかなわげば)」と呼ばれ権勢を誇り、島津家の政治的地位向上に繋がった。天保15(1844)年、薨去。